
3/1(日)に令和元年度卒業証書授与式を行いました。新型コロナウイルス感染症の影響で、在校生・来賓のいない初めての形での卒業式となりましたが、3年間通い続けた学校とお別れを告げ、それぞれの楽しかった学校生活に思いを馳せていました。答辞では、後輩や教員、そして何より支え続けてくれた保護者の方への思いを述べ、とても素晴らしい式でした。
以下校長挨拶
式辞
遙照山の山並みにも、若々しい春の気配が満ちゆく今日(こんにち)、国内での新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される中ではございますが、保護者の皆様の御理解と御協力のもと御臨席を賜り、ここに、岡山県立鴨方高等学校、令和元年度卒業証書授与式が挙行できますことを感謝申し上げますとともに、喜ばしく思います。
ただ今、百六名の卒業生に対しまして、本校における学業を成就したことの証として、総合学科第二十二期生の栄えある卒業証書を授与いたしました。
皆さんは、創立百十二年の歴史を誇る、伝統ある鴨方高等学校の名に恥じぬ成果を上げ、卒業の日を迎えられました。 卒業おめでとう。本校を代表して、心から祝福の意を表します。
さて、本日、晴れの日を迎えられた皆さんの胸中には、三年間の学校生活の一つ一つの思い出が蘇っていることでしょう。
皆さんは、「自分の生き方は自分で決める」という力を育むため、さまざまな知識を吸収し体験を重ね、特に、あさくち山環学プロジェクトにおいては、地域の方々との交流やボランティア活動、さらには、地元浅口市の素晴らしさを学ぶなど、多くのことに挑戦してきました。このような、本校の特色ある学習活動を通して、自己啓発に努め、これからの新しい時代において活躍できる人材となるよう、三年間の教育課程を見事に全うすることができました。
また、本校の最大イベントである「鴨高祭」では、三年生がリーダーとなり、精一杯のパフォーマンスを披露し、フィナーレでの表彰式では、ほとんどの生徒が涙を流し、見るものに感動を与える様を、私は目の当たりにしました。
ひたむきに、一生懸命に取り組むことで、「やればできる」という成功体験を生み、心の底からの感激の涙となって現れたと思っています。この経験こそが、今後、社会の荒波を乗り越えていく、大きな力になると私は信じています。
今、皆さんは、それぞれの未来に向かって飛び立とうとしています。皆さんの門出を祝うとともに、皆さんのこれからの活躍を祈念し、餞(はなむけ)として、「意思あるところに道はひらく」という言葉を贈りたいと思います。 皆さんは、自分の意思で、専門的なことを学ぶために上級学校に進む人もいれば、専門的な仕事に就こうとしている人もいます。自分が選択したその分野のプロとして生きていくためには、自分自身の「こうしたい」「こうなりたい」という強い意志と情熱を持ち、積極的に学びに行き、自ら技術を習得するというような姿勢がなければ、成長にはつながりませんし、道も開けないでしょう。
また、強い意志さえあれば、本気で取り組み努力するものです。本気で取り組むことで満足できることも多くなり、そのことが自分を成長させ、次への道が開けていくのです。
つまり、皆さんが、これから新しい専門分野に取り組む過程の中で、夢に向かって、日々の取り組みを、強い意志を持って一生懸命に行えば、結果は必ずついてくるのです。 自分を信じ、勇気を出してチャレンジしてください。
さて、保護者の皆様にとっては、お子様のこの三年間は、変化と成長の最も著しい時期であり、皆様の御労苦も並々ならぬものがあったことと拝察いたします。それだけに、本日は、喜びもひとしおのことと存じます。
改めて、心からお祝いを申し上げますとともに、お子様の在学中には、本校の教育活動の充実・発展のため、物心両面にわたり、多大なる御理解と御支援を賜りました事に対し、この場をお借りして感謝申し上げます。
卒業生の皆さん、いよいよ門出の時です。皆さんの未来は皆さん自身が創るものです。これからは、健康に十分留意して、本校で身につけた自信と誇りを胸に、自分の夢に向けてたゆまぬ前進を続けてください。一人一人が充実した人生を歩まれることを、心から願っています。
結びに、保護者の皆様の御健康と御多幸をお祈り申し上げ、卒業生の皆さんの未来に、幸多からんことを祈念し、式辞といたします。
令和二年三月一日 岡山県立鴨方高等学校長 石井孝典



