学校の再開に際して

生徒の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、これまで経験したことのないような臨時休業が続いていましたが、いよいよ6月1日から、学校での教育活動が再開していきます。これから少しずつ通常の「登校」「学習」「下校」に戻していくこととなりますが、3月から3ヶ月間もの長い家庭での学習習慣から毎日の学校での学びとなることで、不安なところもあるかとは思います。でも、みんなが同じような経験や想いをしていますし、学校での活動も徐々に回復していきますので、心配することはありません。

 週に一回の一斉登校日を設けていましたが、各学年5名を超えるような欠席者はありませんでした。生徒の皆さんの多くが、家庭での健康管理をしっかりとしてくれて、各教科担当の先生方からの課題もいつも以上に頑張って取り組み提出していることを、各学年の先生方から聞いています。  多くの課題の量であったかとは思いますが、家庭での学習では、自分なりのやり方で、できることを精一杯取り組んでくれていた様子が、伝わってきています。分からないところや理解できないところもあったかと思いますが、学習の習慣化に繋がりつつある人もいることでしょう。毎日の登校が始まると、教科担任の先生から解説等があるかと思います。

 臨時休業の期間には、皆さんそれぞれで何か目標を定めてチャレンジをしてくれたことと思っています。今回のこの期間をチャンスと捉えて、例えば、各教科の課題への取組や「G suite」の活用などでも、各自で行動し「やればできる」と信じて取り組み、「やってみたらできた」という手応えを掴んで、さらに「やる気」が出てきた人もいることでしょう。

これからも皆さんのチャレンジする心を持って本領を発揮し、それぞれの魂が輝く姿を期待しています。

 まだまだ感染の第2波、第3波の到来による、再度の臨時休業も想定されるため、一人一人が感染予防に努め、軽はずみな行動は慎まなければいけません。皆さんの命を守るため、皆さんの周りの大切な人の命を守るため、「3つの密」(密閉、密集、密接)を避けることを常に意識し、どこかで新型コロナウイルスをもらってしまう可能性があることを念頭に、各自での最大限の「努力」だけは続けてください。

 鴨方高校に、明るく元気な学びの場が戻って来ることを期待しています。

  令和2年5月28日

岡山県立鴨方高等学校長 石井孝典


臨時休業の延長に際して(校長挨拶)

生徒の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染症の潜伏期間を考慮すると、大型連休後一定期間は県内や隣接県における感染状況の推移を見極める必要があり、再度、5月末まで学校休業日となってしまいました。皆さんの元気な声が、教室棟から校長室に聞こえてくる日が戻って来るかと思っていましたが、とても残念です。

 家庭での学習は、各先生方から出される課題を中心に、各自で意欲を持って取り組んでくれていることと思います。分からないところや理解できないところは、教科担任の先生に積極的に聞くなどして、各自での学びの習慣化につなげてもらいたいと思います。

 生徒の中には、自分の目標を定め、教科担任に相談して検定に向けての学習に取り組み、頑張っている人もいます。また、この間の自由な時間を活用して、図書館で本を借りて読書に勤しむ人もいます。是非、この臨時休業の期間に、みんなそれぞれで何か目標を定めてチャレンジをして欲しいと思っています。

 また、この期間、全国的に外出自粛要請が出ており、国民の一人一人が感染予防のための「努力」をしている中ですので、軽はずみな行動は慎まなければいけません。皆さんの命を守るため、皆さんの周りの大切な人の命を守るため、不要不急の外出を控え、家庭での学習に集中してもらいたいと思います。

 どれだけ「3つの密」(密閉、密集、密接)を避けたとしても、どこかで新型コロナウイルスをもらってしまう可能性がありますが、感染しないようにするための、各自での最大限の「努力」だけは誰にでもできることです。

 是非とも、学習面においては、今回のこの期間をチャンスと捉えて、各自で「やればできる」と信じてしっかりと取り組み、「やってみたらできた」という手応えを掴んでくれたらと思っています。

 自分の「やる気」を信じて、学習課題に真剣に取り組んでみましょう。

 皆さんの頑張りに期待しています。

  令和2年4月30日

                              岡山県立鴨方高等学校長 石井孝典


臨時休業に際して(校長挨拶)

生徒の皆さんへ

 令和2年度の新学期から、新たな気持ちで元気よく登校してくれていたにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染者が県南部で後を絶たず、感染経路が不明な事例も発生していることや、隣接する兵庫、広島県の状況も大変厳しいことから、4月20日(月)から5月6日(水)まで、再び臨時休業とすることになりました。

 皆さんの学習機会を保障するため、登校時間をずらしたり、授業の時間帯を工夫するなどしていましたが、現段階での環境の中では、皆さんの健康を第一に考えることが大切であり、この期間を家庭での学習時間といたしました。

 皆さんの命を守るため、周りの大切な人の命を守るため、不要不急の外出を控え、家庭での学習などに集中していただきたいと思います。

 この期間は、原則、一週間おきに、本来の教科書に基づく家庭学習ができるよう、課題を出すこととしていますが、この機会に、自分の力を信じて、チャレンジしてください。

 各教科から多くの学習課題が出ていますが、「できる」と思えばきっとできます。「できない」と思えば充実感のない日々になってしまうことでしょう。

 是非とも、今回のこの期間をチャンスと捉えて、各自で「やればできる」と信じてしっかりと取り組み、「やってみたらできた」という手応えを掴んでくれたらと思っています。

 新しい学年のスタートの時です。自分の「やる気」を信じて、学習課題に真剣に取り組んでみましょう。また、読書等に夢中になることも楽しいでしょう。

 皆さんの頑張りに期待しています。

  令和2年4月17日

岡山県立鴨方高等学校長 石井孝典


始業式・新入生歓迎式(校長挨拶)

 新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、本校では始業式および新入生歓迎式を放送にて実施いたしました。それぞれの式典にて、校長が在校生にあてたメッセージをご覧ください。

4月8日(水) 始業式

 おはようございます。 皆さんには、3月1日から、突然でしたが、「新型コロナウイルス感染症対策」のため、学校を臨時休業とすることを伝えなければなりませんでした。 家庭で過ごす時間が十分あるこの機に、次の三つのことを、各自で考えたり、振り返ったりする時間として有効に活用して欲しいと、お手紙を出しました。それは、皆さんが、学校が始まった時に、きっと、新たな気持ちで、より充実した学校生活を送ることができるのではないかと思ったからです。

 その一つ目は、“新年度からの目標を考えてみよう。”ということでした。 今までの生活の中で、思い浮かんだ将来の「夢」や「進路」を振り返り、それを実現させるためには、どんなことをすれば良いのか考えて欲しかったのです。

 二つ目は、“「できた!」ということを増やす事を考えてみよう。”ということでした。 「分かった」「できるようになった」などの今までの喜びを思い出し、どんな姿勢で日々取り組めばそのような学校生活が過ごせるのかを考えて欲しかったのです。  

 三つ目は、“日々の自分の過ごし方を考えてみよう。”ということでした。 自分のことや周りの人たちのことを大切にするために、自分の「良いところ」「改めたほうが良いところ」を整理をして、納得できる「生き方」を考えてみて欲しかったのです。  

 今回の「臨時休業」の期間は、これらを少しでも振り返り、みんなにとって、自分の可能性を伸ばすことにつながる期間となったのではないでしょうか。 今日からまた、新たな一歩を踏み出してください。 校内の木々も草花も、皆さんを待ちかねていたように芽を吹いているのに気がつきましたか。草や木にとっても4月は、「心躍る春」なのです。 新年度の始まりは、心を新たにして、これから一年の学校生活をどのように過ごすかを考えて、腹を据えて、覚悟して、動き出そうとする時なのです。この動き出す時こそ、皆さんにとっては大事にしなければいけない場面なのです。

  高等学校での活動の中で一番大切にしなければならないのはなのは、「授業」です。この「授業」にどう取り組むのか、その臨む姿勢から、授業内容の理解が深まり、学ぶことのおもしろさにつながるのです。 先生の話に、とにかく耳を傾けてみる。話を聞いてポイントとなるところを、必ずノートにとるよう心掛けてみるなど、何か学びの姿勢にこだわり、独自の学びの姿勢が習慣化された時に、きっと授業がさらに楽しくなり、もっと学びたいという意欲につながることと思います。 是非とも、授業に臨む姿勢について、今こそ、各自で真剣に考え実践してください。

 結びに、新型コロナウイルス感染症の予防のため、本校のホームページでもお知らせしているとおり、4月10日から、通学の際の、列車内での混雑時間帯を避けるため、登校時間を一時間遅くしました。 日ごろから、集団感染防止のため3「密」と言われている「密閉空間」「密集場所」「密接場面」を、可能な限り避けるよう気をつけましょう。 それでは、皆さん一人一人が、母校となるこの鴨方高校の活動の中で、「きらり」と輝けるよう、我々教員もしっかりと応援していきたいと思っていますので、ともに頑張りましょう。

4月10日(金) 新入生歓迎式

 昨日入学したばかりの、フレッシュな新入生の皆さんを迎え、本来であれば、さわやかな雰囲気の中で、体育館での対面式を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、このような、放送での「新入生歓迎式」として行うこととなりました。

 さて、新入生の皆さん、先輩方とともに有意義な高校生活を送り、3年間、自分が思い描く「夢」に向かって、進めるように頑張ってください。 また、上級生の皆さん、新入生の皆さんに対して、どうか良い先輩、良い指導者として温かく接してください。新入生の皆さんが、新しい環境に早くなじみ、明るく、元気に高校生活を送っていくことができるように、先輩としての心配りをお願いしたいと思います。 新入生の皆さん、そして上級生の皆さん、部活動や委員会活動、さらに、鴨方高校の一大イベントである鴨高祭などでは、ともに学び、ともに成長する仲間だと考えて、お互いに積極的に関わり合って欲しいと思います。そのことが、鴨方高校の令和の時代の伝統を築いていくこととなると思います。 そして、もしかしたら、鴨方高校で出会った先輩と後輩が、一生続くような人間関係となっていくかもしれません。 そう思えば、人と人との出会いの一つ一つを、一期一会の気持ちで大切にしたいですね。  これから、本校での学校生活を送る上で、よき先輩、よき後輩として、お互いに頑張って、切磋琢磨して鴨方高校を盛り上げていきましょう。


令和2年度入学式が挙行されました。

  今年度は25期生98名が、鴨方高校の新たな仲間に加わりました。それぞれの決意や目標を胸に抱き、鴨高生としての一歩を踏み出しました。勉強のみならず、部活動やボランティア活動など様々なことに積極的に挑戦し、学んでいく中で、社会に出る上で必要な力を伸ばしてほしいと思います。

校長式辞

 校門の桜の花も暖かい春風に舞い、万物に精気がみなぎる今日の佳き日、新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される中ではございますが、保護者の皆様の御理解と御協力のもと、多数の御臨席を賜り、ここに、98名の新入生を迎え、令和2年度岡山県立鴨方高等学校入学式を挙行できますことは、本校教職員にとりましても、この上ない喜びであり、心からお礼申し上げます。 

 ただ今、入学を許可しました新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 そして、今日まで、新入生を様々な面で支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝い申し上げます。本校は、明治41年に創立された観生女学校に始まり、教育熱心なこの鴨方の地で、創立113年を迎えた伝統ある高等学校です。22,000を超える卒業生の方々は、地元浅口市はもちろん、全国各地で活躍しておられます。新入生の皆さんは、そうした歴史と伝統に輝く本校に入学したことを誇りに思い、鴨方高校生としての自覚を持ち、限りない可能性を求めて、若い情熱と意欲を燃やしてください。皆さんは9カ年の義務教育を終えて、今日から、高等学校という新しいステージに立ちました。本日この場に出席できた喜びは、皆さん一人一人の努力の成果であり、また、これまで皆さんを支えてこられたご家族の方々や、小・中学校の先生方、地域の皆様、友人などの多くの支えがあったことを忘れてはならないと思います。感謝の気持ちを持って高校生活の第一歩を進めていただきたいと思います。 

 本校に入学して、新たな舞台で、心機一転、学びを深めていきたいと考えている人もいることでしょう。鴨方高校では、皆さんの今の「学ぶ意欲」や「やる気」を失わないように、総合学科の特長を生かし、生徒一人一人を大切にした、きめ細かい指導を行っていきます。 これから3年間の過ごし方で、皆さんの人生が変わると言っても過言ではありません。すべての人に平等に与えられているこの3年間という時間を、どのように過ごすかで大きく差がつきます。 画家である「パブロ・ピカソ」が、『できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である。』との名言を残しています。何かにひたむきに取り組み、努力して、できると自分を信じ続け、本気で考えて行動することができれば、何かができるようになります。そして、「やればできる」、「やってみたらできた」という手応えを、この鴨方高校で、是非体験して欲しいと思っています。

 3年後の卒業を迎えた時、自分は鴨方高校に来て、「このような事を精一杯頑張ったんだ」と言える学校生活を送っていただきたいと思っています。  

 結びに、保護者の皆様、本日からお預かりしましたお子様が、本校のスローガンである「自分の生き方は、自分で決める」力をつけられるよう、教職員一同、全力を尽くす所存でございますが、学校と家庭との互いの理解、協力があってこそ成果が上がるものと考えております。そのためには、学校行事やPTA活動などの取り組みに積極的にご参加いただくとともに、日々の密なる連携を、是非ともお願いしたいと思います。  今後とも本校の教育方針に深くご理解を賜り、お子様の成長、飛躍のために、一層のご支援、ご協力をいただきますようよろしくお願いします。  入学式にあたり、本日入学された生徒の皆さんが、本校で大きく成長し、地域社会に貢献できる人材として育つことを祈念し、式辞といたします。  

  令和2年4月9日

岡山県立鴨方高等学校長

 石 井 孝 典